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ザクロの葬列二次創作中心。ブログサイトです。PAGE | 2 1 32 75 74 71 70 69 68 67 | ADMIN | WRITE 2012.02.14 Tue 00:38:11 Non Sugar2月14日 せっかくバレンタインなので。 即席クオリティですが。 バレンタインは関係ないです。 NLが大丈夫な方はどうぞ。 暗黒の騎士 パーシヴァルとガラハッドのお話です。 甘い…？甘くは…ない。 そういえば、パーシヴァルは甘いものが好きではないらしい いつだったか、薄紫の薔薇が咲く中庭でティータイムをしていた時だ 呆れた顔したパーシヴァルが マフィンを貪る俺の顔と俺の食べてるマフィンを見比べながらそう呟いた その時パーシヴァルは色濃く注がれたストレートティーを口にしていた 「甘いって…美味いじゃん」 「そうか」 「パーシヴァルも食べればいいのに」 「遠慮する」 確かそんな会話 俺がその時覚えてたのはパーシヴァルの呆れ顔と美味かったマフィンの味 あ、アレ本当、美味かったなぁ なんて ぼんやり 「よそ見をするなぁっ！！」 澄んだ金属音と凛とした喝に現実に引き戻された あの時の薄紫の薔薇の中庭 黄昏れ時 眼前には使い込まれた剣が交差している 「ちょっ…！」 そうだ 今はパーシヴァルとの討ち稽古 パーシヴァルは強い いくら稽古といえど手は決して抜きはしない 「一瞬の隙が命取りになるぞっガラハッド！！！」 細身の剣から繰り出される重い一撃を受け止める 返し、剣を受けるものの踏み込みが甘かったらしく 一度後に退いた足は具足と地面が擦れて 鈍く、ざらついた不協和音を奏でた 「受けてばかりでは倒せるものも倒せんぞ！」 重かった切っ先が ゆるり 軽くなる 黄昏れの夕日に延びた パーシヴァルの影が ふわり 笑った気がした 刹那 懐の間合いに ぐっとパーシヴァルが詰め寄った あ ま い 彼女の口が無音でそう唄った 体勢を立て直す隙もなく、連撃が降り注ぐ 重い 重い 重い 重い おもい 鋼の詠唱が響く 迷うことなく突き出されるパーシヴァルの剣 呼吸ひとつすらも乱れていない 俺は只々その剣を目で追い防ぐのが精一杯だ 「…ぁっ…！！」 足が 限界を迎えた 踏み止まるべく足先に注意を向けた たった一瞬だった ジャリッ… と鈍い音で砂を片膝で踏んだ すなわち バランスを崩した だからといって剣撃を止めるほどパーシヴァルは 甘くない 「隙だらけだ」 パーシヴァルの振り上げた剣は夕日が眩しく… ガチャリ 鈍い音がして 右手の痺れ 彼女の剣をまともに手甲で受けてしまった なんて、無様 な 剣は俺の手を摺り抜け、力無く地面に突き刺さる ハッと気が付けば目先に鋭い剣先が向けられていた 「……っ…！」 刃物に劣らない彼女の鋭い眼光に 息をのんだ そして グイッと胸倉を掴まれた ガチャン、互いの兜が額でぶつかり合う 目の前いっぱいにパーシヴァル 鋭い眼光に怯みながらも不謹慎に睫毛、長いなぁとか思った矢先 本当に息がつまった 俺の くち に や わ ら か い かん しょく かるく つきささる 犬歯 ぴりっとした痛み ちょっと 血の あじ 少しだけ ふれられた ざらりとした 舌の かんしょく 何がおきたか 解らなかった いや、わかったけど わかった時には胸倉を解放され 俺は地面にへたり込んでいた 「……私は甘いのが好きではない…」 頭上でパーシヴァルが呟いた 彼女の顔を見れずに 彼女のしなやかな指が剣を鞘に納めるのを見つめることしかできなかった 彼女が踵を返す クセのある尻尾が少しだけ揺れた 「………お前は…やはり 甘い、な」 少し上擦った声でそう言うと振り向きもしないで行ってしまった 薔薇の庭園に取り残された俺 ぼんやり 口の上を手甲で傷付けないように、ゆっくりと指でなぞった まだ鮮明に残っている感触 手甲に少し血がにじむ 「……あのさ、…………はじめて…だったんだけど……」 甘いと想っていたソレは 予想を裏切りまさかの無糖だった 「…俺は…どうせなら甘いほうが好きだ」 だけど 無糖のソレは甘い毒をもっていて 俺の身体は動けない 「…パーシヴァルの方が…甘いじゃん…」 庭園に広がる 彼女にそっくりな色した薔薇に吐き捨ててやった -------------------------------------------------------------------- 2012.02.14 甘いとか 甘くないとか 全くバレンタイン関係ないですけど。
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