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ザクロの葬列二次創作中心。ブログサイトです。PAGE | 43 42 41 40 39 38 37 36 35 34 33 | ADMIN | WRITE 2010.10.06 Wed 23:09:22 02-0202-02 演説 空気が裂かれ流れる音 夕暮れの光は橙色よりも紫で、ざわめきの消えた空は無音 静まり返る夕暮れの下 地まで流れ落ちるマントを翻し まるでどこかの帝王を示すような、そんな雰囲気を纏った男の人が 列んだ同じ服装の人列の間より現れた 一見、幾何学模様を模したマントは よく見たら古代的なおおぶり目玉の模様 首元は遺跡を模ったような幾何学な襟飾りが目立つ 髪はうねるように捻れ、異様 右目にはモノクルのような赤いレンズが着けられている すべての周囲にたいしてアンバラス そして口を開いた 「ワタクシはゲーチス、プラズマ団のゲーチスです」 プラズマ団? ゲーチス? 知らないな 外野がざわめき反応を零す だけどゲーチスと名乗る男は気にも留めずに話を進める 「今日はみなさんに、ひとつ、お話しをしようと、……お話しをするのはポケモンを自由にしましょうということです」 広場からは憤りや否定の声、疑問が瞬間的に放たれる 「…ブラック、言ってる意味がわからないよね」 「ああ…」 そう俺に告げるチェレンの横顔は明らかに不快の色 眉は眉間にシワをつくっている 「みなさんにも色々意見がございますでしょうが話を進めます」 そう話し続けるゲーチスと目があった 一瞬すごい剣幕で睨まれたような気がした 「我々、人間はいつの時代もポケモンと共に暮らしてきました、お互いを求めあい、必要としあうパートナー………そう思っておられる方ばかりでしょう………ですが、本当にそうなのでしょうか?我々人間がそう思い込んでるだけ…………そんな風に考えたことはないでしょうか?」 そこのトレーナーさん! ピシィっ とゲーチスに指を突き立てられた 目の前の咄嗟の出来事で俺は言葉をなくす 俺が答えず圧倒されてる様子を見てゲーチスの口角が釣り上がった そしてゲーチスは続ける 「トレーナーはポケモンに好き勝手命令している……仕事のパートナーとしてもまた然り、そんなことはないと、一体、誰がはっきりと言いきれるのでしょうか」 そこの貴方は? と、また再び外野に呼びかける ざわざわと人達がざわめく そんな! わからんよ だって私は たくさんの声が拾える すべての声色は動揺、不安 「チェレン、何かが」 「…おかしい、だろ?ブラック」 「うん」 チェレンも俺も目の前にいる人物が不鮮明な事実を立ててることが気になった おかしい その気持ちが自分の中で渦を巻き思考を止められそうになる そんな中、ゲーチスは一際大きな声で語る 「いいですか!?、みなさん、ポケモンとは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なのです!!つまりは、我々が学ぶべきモノを数多く持つ存在なのです!!……そんな素晴らしいポケモン達に対し、ワタクシ達人間がすべきことは何なのでしょうか」 唸るような風が広場を吹き抜けた プラズマ団のフラッグが靡く音が耳に障る 何かが、異常… ただそれだけを思い俺は眉をひそめた 風が止まり、凪 静まる空気、広場に集まる人込みの中、細い声が上がった 「解、放…?」 人混みのずっと後の方がざわめいた 「素晴らしい解答です!!」 その返答を聞いたゲーチスはさらに一歩こちらに歩みよった 両手を広げ俺達を見下すような姿で声を張り上げる 「そうです!!ポケモンを自由にすることです! ポケモンを縛るのを止め解放する!!そうしてこそ、人間とポケモンは初めて対等になれるのです………みなさん、ポケモンと正しく付き合うために、どうすべきか、よく考えてください…………というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」 一礼するゲーチスの背後には夕日が沈んで仄暗く 逆光で顔を上げたゲーチスの表情に俺は不快を覚えた 見下し、嘲笑うかのような表情 長いマントを揺らし フラッグを風に靡かせながらプラズマ団を名乗る集団とゲーチスは広場を悠々と去っていった 「変な奴らだったね」 「……ああ」 「どう思う?」 「あの話に一理ある、とは思う…けど間違ってる」 「ぼくも、そう思ってたところだよ」 ポケモンを解放するだなんて、間違ってる 俺の横でチェレンが呟いた 先程の人だかりを振り返れば、薄暗い広場に意見が飛び交う 今の話…私たちはどうしたらいいんだ? じゃあ お前は誰かにポケモンを解放しろって言われたら手放すのか? 落ち着きませんか! ポケモンを解放ってそんな話ありえないでしょ!! 混乱、負の方向に流れている 何故、人の心を掻き乱す? プラズマ団の意図が測れない 拳を握る 俺は自分が絶対的に正しいなんて思わない けど、きっとプラズマ団は ……間違ってる 行き場のない気持ちを握った拳に上乗せする その時だった ゆらり、 長身の影が俺達の方に向かって来た PR |