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Star Dust


sonic SS

Star Dust

ソニック+ナックルズ+テイルスのお話。
テイルスがメイン。ほのぼの系。




コン、コン
と薄い鉄製のドアが叩く音が聞こえて振り向いた
久しく見ていなかった外の景色は夕暮れで赤い太陽が眩しくて目を細めた
 
「やっと気付いたか」
 
なんて言いながらラボに延びる二つの影が笑った

この二人がやってくるのはいつも突然、予測不能
だけども見知った顔に嬉しくなる
 
「久しぶり」
 
そう返すと自然に尻尾がくるりと揺れた
 
「突然二人でどうしたの?」
 
テイルスは愛機のトルネードの下に潜って作業をしながら二人に聞いた
 
「いいや、別にどうしたわけでもないけどな」
 
たまたま顔が見たくなった、というやつらしい
そういうソニックの声はいつにも増して弾んでいる
ソニックがおそらく駄々をこねて無理矢理ナックルズも連れ出して来たのだろう
 
「トルネード、どうかしたのか?」
「うん、ちょっとね…主動エンジンのエネルギー変換装置を旧式の物から取り替えて、あとそれから第3,4ウィングの角度を変更して動力安定水準の数値を…」
「あー!!!だから!ようするに早い話、改造すんだな!?」
「うん、そうそう、もうすぐ終わるんだけどね」
「なぁテイルス、コレいつからいじってんだ?」
「え?…………いつからだろう」
 
テイルスはカチャカチャと配線をいじりながら考えた
全くもって覚えがない
外の景色もそうだけど時計すら見ていない
 
「テイルスは熱中しすぎるといつもそうだもんな」
「ちゃんと飯食ってたか?」
 
ご飯…?そういう物を食べるなんてすっかり忘れていたことをナックルズに言われ初めて気付いた
 
「…あ」
「だってよ、な?言ったろナコォズ、たぶん何も食ってないって」
「あぁ、買ってきて正解だったな」

ほら、とソニックに差し出された袋の中には三人分のファーストフードが入っていた

「Stop!テイルス、休憩な!!外で食おうぜ」

テイルスは油で汚れた手袋を取り替え、顔についた煤を払ってしばらくぶりの外の世界に踏み出した

長らく感じてなかった外の空気はテイルスにとって新鮮だった
機械油のにおいのするラボの空気も嫌いじゃないが
やはり外の空気は清々しい

「Come On!」
 
とテイルスを呼ぶソニックはラボの屋根の上に、
その横でナックルズは
 
「星が綺麗だぞ」

と手招きをした
 
ラボに篭って機械をいじっていればよくよく見ることもなかった夜空は想像以上に綺麗で
不思議で懐かしいものだった
 
「ミスティックルーインで見る星も綺麗だけどよ、エンジェルアイランドで見る星もスッゲェ綺麗なんだぜ」
 
とハンバーガーの包装をくしゃくしゃと丸めながらナックルズは言った
 
「へぇ、そうなのか?」
「あぁ、何せ空に浮いてんだ。ここより星に近いしな、っても空を飛べたりしたほうが星には近いけどな」
「空な・・・ま、確かにそうだな」
「ねぇ、じゃあ今から行こうよ」
「What?何処に?」
「空に、トルネード号で」
「トルネード号は今改造してたんじゃないのか?」
「大丈夫だよ!あとは繋いでない配線を弄ればすぐ終わりだから、新トルネード号の試運転と夜間飛行!」
「おいおい試運転って大丈夫かよ・・・」
「大丈夫、任せて!配ないよ!!」
「OK!!面白そうじゃん!」
 
そうと決まればテイルスの作業はとても早い
あっという間に残りの配線を組み込んだ
 
滑走路にトルネード号をスタンバイさせ搭乗ハッチを開く
 
「二人ともホントにそこで大丈夫?」
「おう!」
「当たり前だろ」

もー・・・とテイルスは苦笑いを浮かべた

ソニック、ナックルズが乗ってたのはトルネードの右翼と左翼

正直言って危ないが彼らにはそんなことは関係ない

そこはご愛嬌
 

「それじゃあ行くよ!」


テイルスのその声と共にトルネード号はゆっくりと起動した
 
ゆっくり速度が上がる

ゆっくり地上から離れる

ゆっくり星が近くなる
 











まるで星が目の前にあるように
 

「It's Great!!」
「ね!夜間飛行も楽しいでしょ」
 

雲と風を押し切って高くを目指して

やわらかい星の光が包み込む
 






「さぁ、星屑を集めに行こう!!!」
 

幾度となく飛んだ夜空は、




いつもよりとても   澄んでみえた




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