忍者ブログ

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

ブログ内検索

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Your Blue Sky High



sonic SS

Your Blue,Sky High

ソニックライダーズの話。
ナッコとソニックが競ってます。




風が全身に纏わり付いて
背景なんか線みたいで、すっげぇ気持ちいい
自分の足じゃ体感出来ないくらいの速さ表示されてる

速さは時速200km
 
200kmってどれくらい速いかってよくわからないが、とにかくすげぇ速い
 
レースはメタルシティ

空は良く晴れてる
今の所ぶっちぎりで走ってるのは俺だけ
俺のエクストリームギア レッドロックは太陽に反射してキラリと光った
 
邪魔な車をぶっ壊しながら進めば速度が上がる
 
おいおいまだ速度上がるのかよ!
なんて思ったとき
 
「Hey!ナックルズ!!」
 
とか聞き慣れた奴の声がした
俺の走行してる壁沿いに設置されたグラインドレールから
見慣れた赤いスニーカーと奴の青いギアが目の端に映った
 
「ったく!!なんだよ!もう追い付いてきやがったのかよ!!!」
 
全くコイツは何やっても速ぇな!
 
「Of Course!」
 
グラインドレールから飛び降りて奴は俺の真横に付いた

「ナックルズ!調子いいじゃん」
「フン!お前もな!!」
 
お互い顔を見合わせてニカッと笑った
 
「たまには一位を譲ってくれてもいいんじゃねぇか?」
 
そう言いながら自分のギアを奴のギアにぶつけた
一瞬奴はバランスを崩す

「No!譲れないね!」

と奴も同じ様にギアをぶつけてきた
ヤベェ バランス崩れた
 
「危ねぇだろ!」
「Oh My!お互い様だろ」

ガツン ガツンとお互いのギアが同じタイミングでぶつかり合う
 
「道を譲れって!」
「ナコゥズが譲れよ!」
「んだと!!」
「お? ready?」
「臨むところだ!」
「俺のスピードについてくるってか?」
「やってやろうじゃん!」
 
そういうとまた奴と目があった
それが合図
二人同時にエアブーストをかけた
ブーストをかけたままギアはさっきと同じ様にリズミカルにぶつかり合う
 
先に仕掛けてきたのは奴だった

ギアのぶつかった反動で離れたときギアを斜めに入れ突っ込んできた
 
「っおわっ!」
 
再び俺がバランスを崩したのを確認すると奴はブーストをかけて少し遠退いた
 
「ナコゥズ、もう終わりか? Show you are moves?」
「っちくしょう!!」

終われるはずがないだろうが!!

俺は早々に体勢を調えブーストをかけた
 
意味わかんねぇぐらい悠々と進む奴に追い付きたくてブーストアクセルを踏みまくった
エアの残量なんて気にしないでとにかくブーストをしまくった
耳をつんざくような風の音に混じって
 
キイイィィィン

と金属が割れるような音が聞こえた気がした
 
ヤベェ ギア壊れたんじゃね?

と思った同時、奴の使ったブーストのエアに乗って再び奴の真横に戻った

「へぇー やるじゃん」
「馬鹿にしてんのか!?」
「まさか!けど、そろそろ決着つけようぜ?」
 
と言いながら奴は前方に見えるトリックゾーンを指さした

「なるほど」

俺は軽く頷いて答えた
それとほぼ同時に最後のカーブ同じ角度で同じ様にドリフトをかけ飛び出す
ギアは今だ ガツン ガツンとぶつかり合いながら俺のギアから若干焦げ臭いにおいがした
突っ切る風の向こうにトリックゾーンが見えた

俺のエアもそろそろヤバイ

カラカラといやな音がするというか、ギアがヤバイかもしれない
 
でもエアを多めにチャージして奴より高く飛んでトリックを決めればあとは短い距離走るだけ

勝ち目は十分
恐らく隣を走ってる奴も同じこと考えてるだろうけど
三度、奴と目があった
やはりそれが合図

二人同時にエアチャージ、空中に飛び出すタイミングもほぼ一緒
 
「おらぁっ!」
「Going!!」
 
体重を後に退いて 空に 高く飛び出す


飛び出せるはずだった


不意に俺の足元から風が消えた
 
体が浮いて 景色は上下が反転している

ギアが離れ足が軽くなった
 


「What!?ナックルズ!!!」



何か自分が言葉を発したのかすら曖昧で
とりあえず耳には奴の驚いた声が聞こえた
 

太陽がすげぇ眩しくて風がすげぇ吹いていて
なんか全部の動きがスローに見えた
 

あ そうだ今日
エンジェルアイランドの祭壇の隅に真っ赤な花が咲いてたっけ


なんてどうでもいいこと思い出した
そう思ったのが最後
 
最後見たのはすっげぇ晴れた青い空

どっかの誰かみたいに馬鹿みたいな青い空
 












「っ痛ってぇ・・・!」
 

鈍い痛みで我にかえった
何が起こってたかはすぐにわかった
やっぱギアは壊れてたし、それに加えトリックゾーンで失敗しコースアウト
 
動けないわけじゃないが面倒くさくて動きたくない

横にレッドロックも変な煙を上げて転がっている
 
200km超えの速度で高層ビル並の高さから落ちて怪我すらしてない自分に驚いた
そこは怪我しとけよって自分につっこむ
 
ぐぐっと伸びをして仰向けに転がり直した

こうなったらレースすら面倒で戻る気もしない


見上げた空はどっかの誰かみたいに、馬鹿みたいに青い
 
突然、視界の青空はさらに深い青になった


「ナコゥズ・・・Are you OK?」
 
馬鹿みたいに青いどこぞのハリネズミが俺を覗き込んできた
 

「OKって あ?お前レースは?」
 

そう言って俺は青い奴の頬っぺたを捻った
 
「レースよりナックルズだろ?」

と奴も俺の頬っぺたを捻った
 
「俺が怪我して重傷に見えんのか?」
「全然、タフってより頑丈だな 心配無用だったってわけか」
「そういうことだ」

視界には青い空と青いハリネズミが眩しい
 
「おい、ソニック」
「What?」
「お前はなんで馬鹿青いんだ?」

すると奴はキョトンとしたがすぐに言葉を返した
 
「なんでお前は馬鹿赤いんだ?」
 
お互い頬を引っ張られた不細工顔で真面目な目してたのが面白くて
お互いの瞳に映った自分も頬を引っ張られた不細工顔で
二人同時に腹がよじれるぐらい笑った
 
俺達の笑い声は馬鹿青い高い空に吸い込まれていったようだ
 
「ナコゥズ、青いとか赤いとか今更すぎるぜ」
「あ?そうか?」
 

だってよ落下するとき見た空がお前みたいな青い空で、すげぇ眩しかったんだ だからそう思ったそう言いたくなった

なんて言えるわけがない
 

「さてと、そろそろ戻るぜ」

手を差し出しながら青いそれは笑った
 

眩しいな





ちくしょう




なんでお前は青いんだ






拍手[2回]

PR