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いんせくと れたー


ポケモン:HG,SS

いんせくと れたー

ツクシに手紙が届きます。
虫好きなボクから虫好きの君へ。




ツクシさん手紙が届いてますよ
 
と、さっきジムトレーナーに手紙を手渡された
 

緑色が美しいグラスメール
あの人からの手紙はいつもこのグラスメールでやってくる
 

僕は自室に戻って手紙の封を切った
 
流行り文字を意識しつつも
丁寧な文字列がならんだ便箋に視線を落とす
 



おはようございます!
今日は少し早く起きました。
今朝も相変わらず朝霧が深いです。
最近ははパソコンで連絡してたけどやっぱり手紙かな、なんて。
 
そうそう、この前もらったタマゴはもう中から音が聞こえてくるんですよ!
何のタマゴか教えてくれないから孵化するのが楽しみです。
おかげで昨日なんかチャンピオンに
「うかれすぎよ」
なんて言われちゃいました。
うかれすぎだなんてだって、虫ポケモンのこと考えてたら楽しくて仕方ないですよね!
 
そっちとこっちじゃいるポケモンが違うでしょ、
だからいつか今度そっち行くときはたくさんの虫ポケモンとふれあうって決めてるんです!!
そっちはキャタピーとかたくさんいるっていうじゃないですか
こっちじゃ珍しいからボクもなかなか見たことなくて…

そうだ、今度ガーメイルとバタフリー交換しましょう!
って君がよかったらの話ですけど
 
それから君のジムにも!
広大な敷地に虫ポケモンがたくさんだって、旅のトレーナーから聞いたんです!
ジム全部が虫ポケモンのための空間だなんて!
ボクの部屋もそんな風に改装したいけど
部屋全部がバトルフィールドだからできなくて、
だから、
 















『だから、』
と綴られた文章は中途半端なところで切れていた
 
そして、その便箋の下にもう一枚便箋が隠れていた
そこには彼らしくない書きなぐられた、アーボのような筆跡で続きを連ねていた
 






すみません、話が飛んじゃって
というかそれよりも、タマゴが孵化しました!!
可愛いイトマル!!!男の子のイトマルですよ!!
なんてタイミング!
ああ、興奮しすぎて何を書いてたのかも忘れちゃいました!!
話の続きはまた今度
 
そうだ生まれたばかりのイトマルとボクの美しくカッコイイ虫ポケモンの写真を一緒にしておきます
 



シンオウリーグ四天王 リョウ

ジョウト ヒワダジムジムリーダー ツクシくんへ
 

P.S.ボクのビークイン美人でしょ?
 













思わず笑みが零れた
「タマゴ孵化したんですね」 と、僕は相手がいない言葉を投げた
 
最後のP.S.の内容がいかにもリョウさんらしい
同封されていた写真にはリョウさんの手持ちの虫ポケモンと
リョウさんに大事そうに抱えられたイトマルが写っていた
 
「リョウさん嬉しそう!…ってアレ?写真が…」

もう一枚封筒に入っていた
 
「…なんだろ…?」

最後の一枚を取り出した
 
「!!リョウさん…!」
 
さすがリョウさんというか
最後の一枚にはでかでかとビークインのアップの写真が
しかもご丁寧にビークインの手形も添えられている
 
よっぽどビークイン、お気に入りなんですね!
 
ここまですれば、ただの親バカなのかも、まぁ僕だってリョウさんのこといえないんだけどさ
 なんて軽く笑いながら僕は机に向かった
 
残り少なくなったブルームメールを取り出して返事を書く
 










リョウさん こんばんは!
おげんきそうで、なによりです
きょうは ゆうひがきれいです
いま、ちょうどヤンヤンマのむれがみえてて……








ああ、僕だって話したいことはたくさんある!!
まとまらない文章を率いたペンは止まる術を知らなくて
 












P.S.リョウさんのビークインもなかなかのびじんさんですけど
  ぼくのハッサムだってまけてないですよ!!
 












おなじ だいすきな きもちが つまったむしのおしらせ
 
いんせくと れたー
 




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